お金がないときに頼れる公的支援と急ぎでお金を作る方法

新しい服が買えない、旅行をするお金がないなど、ぜいたくをするお金がないというのであればまだよいのですが、携帯代が払えない、家賃を滞納していてやばい状況、など、生活が困窮するくらいお金がない状態はつらいものです。

コロナで収入が減ったり、職を失ったりした人もいるでしょう。そのような場合、生活を立て直すのは簡単ではありません。

生活に困窮している人に対するセーフティネットはいろいろあります。お金がないときは、公的支援に頼るのも方法の一つです。

お金がないときに頼れる公的な給付金や制度について、また早急にお金が必要なときにお金を作る方法を解説します。

  1. 収入もなくお金がないときは住んでいる地域の自治体で相談する
    1. 生活困窮者自立支援制度はお金のことをはじめ仕事や住居など包括的に支援をする
    2. 家賃相当額を受け取れる住居確保給付金
    3. 子ども一人あたり5万円が支給される子育て世帯生活支援特別給付金
    4. 結婚後の生活を支援する結婚新生活支援事業
    5. ほんとうにお金がない場合は生活保護の利用を考える
  2. お金がない場合は社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度でお金を借りることもできる
  3. 給付を受けながら仕事探しができるハローワークについて把握
    1. 雇用保険に加入していればもらえる失業保険の基本手当
    2. 雇用保険に加入していない場合は職業訓練受講給付金を申請する
    3. キャリアアップを目指したい場合は教育訓練給付金を申請する
  4. 傷病手当は病気やケガで会社を休んだときに受けられる制度
  5. 先に申請しておけば高額な医療費を用意しなくてすむ高額療養費医療
  6. 歯医者の治療費が払えない場合はクレジットカードやデンタルローンを利用する
  7. 進学のお金がないなら給付型の奨学金の選択もできる
  8. お金がなくて支払いができない場合は債務整理を検討する
    1. 債務整理には主に4つの種類がある
    2. 債務整理をすると信用情報に登録される
    3. 債務整理をした方がよいケース
  9. 早急にお金を作るには家にあるものなどを売る
    1. 買取専門店やリサイクルショップならすぐに現金化できる
    2. フリマアプリなら自宅にいながら物を売ることができる
  10. お金がないときは仕事をして収入を増やす
    1. 「日払い」と「即日払い」は異なることがあるので注意
    2. クラウドソーシングなら在宅での仕事も見つけやすい
  11. お金がないなら家計の見直し!無駄な出費を減らす
    1. 家賃の支払いができないなら引っ越す
    2. 携帯代が払えない場合は一時休止手続きとプランの見直しをする
    3. 電気やガスの契約会社を比較してお得な会社に変える
    4. 固定電話が必要なければ解約する
    5. クレジットカードの使い過ぎを減らす
    6. 外食が多い場合は自炊を心がける
    7. 必要がない場合はお店に行かない
    8. 本当に必要なものかを考え衝動買いを控える
  12. お金がないからと闇金を利用すると後悔する
    1. 違法な金利で返済できなくなる
    2. 返済できないと厳しくしつこい取り立てがあり精神的に追い込まれる
    3. 闇金からお金を借りてしまった場合は早いうちに相談をする
  13. お金がないとやばい!緊急で必要な場合はカードローンを検討してみる
  14. 「お金がない」に関連するよくある疑問
    1. Q お金がないときすぐにできる節約方法は?
    2. Q すぐにお金が必要な場合はどうすればよいですか?
    3. Q お金がなくてクレジットカードの支払いができません。どうしたらよいですか?
    4. Q 持ち家がある場合でも生活保護は申請できますか?
    5. Q お金がなくてクレジットカードを使ったときはリボ払いにした方がよいですか?
  15. お金がないときは市役所や区役所に相談すると同時に家計の見直しもしよう

収入もなくお金がないときは住んでいる地域の自治体で相談する

収入もお金もない場合は、地域の市区町村の窓口に行ってみましょう。給付金などの支援制度について教えてくれます。自治体によっても給付金などのセーフティネットがあるので、まずはお住まいの自治体のWebサイトなどをチェックしてみましょう。

生活困窮者自立支援制度はお金のことをはじめ仕事や住居など包括的に支援をする

生活困窮者に対するセーフティネットの一つとして生活保護がありますが、生活困窮者自立支援制度は経済的な支援や、社会への自立をする方法など相談に乗ってくれる制度です。具体的には以下のような支援があります。

自立相談支援 仕事や生活上の不安、住まいやお金、子どものことなど、悩みや困っていることについて専門機関と連携し、支援プランを作成し自立をサポート
住居確保給付金 家賃が払えずに家を失う、もしくは住まいがないなどの方に一定期間家賃相当額を支給(就職活動などの条件があり)
就労準備支援 障害や引きこもりなど、就職が困難な方に、仕事に就くための必要なトレーニングを提供
就労訓練 就労準備支援では不十分な場合に、中・長期的な訓練を提供
家計改善支援 多重債務や公共料金が払えないなどお金がない方に、債務整理や分割納付などの情報提供や家計管理のアドバイスを実施
子どもの学習・生活支援 子どもの学習サポートのほか、進学支援、仲間との出会いの場の提供、高校中退の防止をサポート、また保護者に対する教育に関するアドバイスなどを提供
一時生活支援 住むところがないなどの方に、一定期間宿泊場所や衣食を提供するほか、就職サポートを実施

住居確保給付金など給付金を受け取れるほか、自立に向けた方法を一緒に考えてくれる機関です。一人で就職先を見つけられないなど、自立できずに困っているなら相談をしてみましょう。

家賃相当額を受け取れる住居確保給付金

生活困窮者自立支援の一つである住居確保給付金は、収入が激減したなどの理由で家賃が払えない方を対象に、家賃相当額を原則3ヵ月間、(最大9ヵ月)支給してもらえる制度。支給対象には以下の要件があります。

  • 主に収入を得ている者が離職・廃業後2年以内または、給料などの収入が離職・廃業と同程度まで減少している
  • 直近の月の世帯収入が基準額(市町村民税の均等割が非課税となる額の12分の1)と、家賃の合計額を超えていない
  • 世帯の貯金の合計が各自治体で定める額を超えていない
  • 熱心に求職活動をしている(ハローワークへの求職申込や職業相談、企業などへの応募など)

支給額は住んでいる自治体や世帯人数、世帯収入額によって異なります。例えば、東京都特別区の支給上限額は以下の通り。

世帯人数 1人 2人 3人
支給上限額(月額) 53,700円 64,000円 69,800円

給付金は大家さんや不動産媒介事業者などに、直接支払われます。そのため、ほかの支払いなど利用にすることはできません。

子ども一人あたり5万円が支給される子育て世帯生活支援特別給付金

子育て世帯生活支援特別給付金は、低所得者世帯が受けることが可能です。

対象者は以下の通り。

  • 児童扶養手当受給者
  • 住民税均等割が非課税の子育て世帯

給付金額は児童一人あたり5万円。物価の上昇によって生活に影響を及ぼしている低所得者向けの特別給付金です。

結婚後の生活を支援する結婚新生活支援事業

結婚をしたけれど家を借りるお金がない、リフォーム代がないなどといった場合、自治体によっては結婚後の新生活を支援する補助金を出しているケースがあります。地域への定住や少子化対策を目的として、若年世帯の結婚生活を支援します。

対象要件などは自治体によって異なるので、ここでは千葉県松戸市の支援について紹介します。

事業名 結婚新生活住宅支援
補助対象世帯
  • 令和5年3月1日から令和6年3月31日までの間に婚姻届けが受理されている
  • 夫婦の年齢が42歳以下
  • 世帯所得が400万円未満
  • 申請時に夫婦の住所が当該住宅の住所である
  • 補助金を受けてから2年以上、松戸市に定住する予定 など
使い道 住宅の購入費用、賃借に必要な費用、引っ越し費用、リフォーム費用
補助金 最大60万円

茨城県かすみがうら市では、夫婦の年齢が39歳以下、所得合計が500万円未満、兵庫県姫路市では最大30万円(29歳以下は最大60万円)の補助など、自治体によって詳細が異なります。

結婚新生活支援事業はすべての市で実施しているとは限りません。お住まいの自治体で支援制度があるか、確認してみましょう。予算額に達した時点で受付が終了となるので、早めの申請をおすすめします。

ほんとうにお金がない場合は生活保護の利用を考える

お金がないため最低限の生活ができない場合、生活保護を受けることが可能です。受給できる費用は、国の定める最低生活費と収入を比べ、最低生活費に足りない分です。

支給される費用には、以下のようなものがあります。

  • 食費や光熱費、被服費など日常生活の費用
  • アパートなどの家賃
  • 義務教育を受けるための学用品を買う費用
  • 医療サービスの費用(医療機関へ直接支払い)
  • 介護サービスの費用(介護事業者へ直接支払い)
  • 出産費用
  • 就職するための技能を習得する費用
  • 葬祭費用

誰にでも保護を受ける権利はありますが、以下のような条件もあります。

  • 仕事ができるなら働いて収入を得ること
  • 手当や年金など利用できるセーフティネットを優先して受けること
  • 住居以外の家や土地は売却する、預貯金は生活費にするなど資産を活用すること
  • 親族などから支援が受けられる場合はそちらを優先すること など

生活保護を受けるには、生活状況や預貯金、年金、働けるかどうかなどの調査があります。そのうえで認められれば生活保護が受給できます。

お金がない場合は社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度でお金を借りることもできる

社会福祉協議会では、低所得者や高齢者、障害者を対象に、生活を維持するためや就労準備、教育資金などに使えるお金を貸す生活福祉資金貸付制度を提供しています。

生活福祉資金貸付制度には、以下のような種類があります。

  • 総合支援資金(生活支援費・住宅入居費・一時生活再建費)
  • 福祉資金(福祉費・緊急小口資金)
  • 教育支援資金(教育支援費・就学支度費)
  • 不動産担保型生活資金(不動産担保型生活資金・要保護世帯向け不動産担保型生活資金)

生活に困窮している方のセーフティネットの一つで、生活を立て直すまでの生活費や住むために必要な費用などを無利子、もしくは低利子で貸付をしています。

給付を受けながら仕事探しができるハローワークについて把握

お金がない場合はハローワークに行って相談をしてみるのも一つの方法です。

お金がなければ仕事をすればよいのですが、すぐにお給料が入ってくるとは限りません。また、仕事を探してもすぐに就職できるとは限らないでしょう。ハローワークなら給付を受けながら仕事探しができます。

会社を退職した際にハローワークに行って失業保険の手続きをしたことがある人も多いでしょう。ハローワークでは失業手当以外に給付金を受け取れる制度があります。

雇用保険に加入していればもらえる失業保険の基本手当

失業者のセーフティネットの一つが雇用保険(失業保険)です。原則、労働者を雇用する事業者はすべて労働者の加入手続きをすることになっています。

雇用保険においては、労働者を雇用する事業は、その業種、規模等を問わず、すべて適用事業であり、当然に雇用保険の適用を受け、また、適用事業に雇用される労働者は雇用保険の被保険者となります(事業主は、労働保険料の納付、雇用保険法の規定による各種の届出等の義務を負うこととなります。)。

引用元:厚生労働省 雇用保険の加入手続きはきちんとなされていますか!その1 雇用保険の適用

失業手当は一定期間、毎月受給できるので、安心して就職活動ができるでしょう。

受給できる金額や支給日数は、加入期間や年齢、退職理由によって異なります。
給付水準は以下の通りです。

給付率 離職前賃金(離職日前6ヵ月間)の50%~80%
給付日額 下限:2,577円 上限13,520円~16,530円
給付日数 90日~360日

給付率は低所得者ほど高く設定されています。また、再就職の意欲を失わせないために、1日の給付額は上限が設定されています。

失業手当が支給されるまでには、自己都合退社の場合は約2ヵ月、会社都合での退社の場合は約1ヵ月かかります。また、月に1回、ハローワークに行き失業の認定を行わなければ手当は支給されないので注意しましょう。

雇用保険に加入していない場合は職業訓練受講給付金を申請する

自営業など雇用保険に加入していない場合もあるでしょう。その場合、失業手当を受給することができません。ハローワークでは、職業訓練の受講と同時に給付金の申請をすることもできます。

給付金は月10万円。職業訓練の講座も無料です。

ただし、職業訓練受講給付金を受けるには以下の要件を満たしている必要があります。

  • 収入が月8万円以下
  • 世帯収入が月30万円以下
  • 世帯の金融資産が300万円以下
  • 土地や建物を所有していない
  • 訓練実施日にはすべて出席
  • 世帯の中に給付金を受給して訓練を受けている人がいない
  • 過去3年以内に不正受給をしていない
  • 過去6年以内に職業訓練受講給付金を受給していない

申し込み後、面接や筆記試験があり合格すれば受給することが可能です。

キャリアアップを目指したい場合は教育訓練給付金を申請する

ハローワークにはより専門的なスキルなど専門分野に就職を希望する方に、受講費用の一部を支給する教育訓練給付制度があります。雇用保険の加入期間が1年以上(専門実践教育訓練は2年以上)あることが条件ですが、約15,000種類の講座があり、補助を受けて勉強できるのは魅力的でしょう。

訓練の種類と給付率、対象講座は次の通りです。

教育訓練の種類 給付率 対象講座
専門実践教育訓練 最大で受講費用の70%
(年間上限56万円)
介護福祉士、看護師・准看護師、社会福祉士、調理師、保育士、ITSSレベル3相当のIT関係資格取得講座、MBA、法科大学院、文部科学大臣認定のキャリア形成促進プログラム など
特定一般教育訓練 受講費用の40%
(上限20万円)
介護支援専門員実務研修、介護職員初任者研修、大型自動車第一種・第二種免許、ITSSレベル2相当以上の情報通信資格の取得を目標とする講座 など
一般教育訓練 受講費用の20%
(上限10万円)
輸送・機械運転関係、介護福祉士実務者養成研修、税理士、Webクリエイター、TOEIC、簿記検定などの資格取得、修士・博士の学位などの取得を目標とする課程 など

パートやアルバイト、派遣社員の方も対象。補助金をもらい、スキルアップを目指せる制度です。

傷病手当は病気やケガで会社を休んだときに受けられる制度

健康保険は治療や入院でお金がかかったときにサポートをしてくれるものですが、病気やケガで会社を休んだときには傷病手当金が支給されます。

傷病手当は病気やケガで会社を休んだ場合、被保険者と家族の生活を保障してくれる制度です。会社を休んだことで収入が減ってしまうとお金がない状態になってしまいますが、傷病手当金があれば安心することができるでしょう。

ただし、以下の点に注意しましょう。

  • 労災保険の給付対象や美容整形によるものは対象外
  • 連続3日以上仕事ができない状態であること
  • 休んだ間の給料の支払いがあると傷病手当は支給されない(少ない場合は差額を支給)

1日あたりの支給額は、支給開始日以前の継続した12ヵ月間の標準月額の平均÷30日×3分の2で算出される金額です。

先に申請しておけば高額な医療費を用意しなくてすむ高額療養費医療

急な入院や治療、手術などで高額な医療費が必要になったとき、お金がないと支払いに困ってしまいます。その場合は、高額療養費制度を確認してみましょう。

高額療養費制度は1ヵ月(1日から月末まで)にかかった医療費が高額になり、自己負担限度額を超えた場合に、後で払い戻しができるものです。ただし、今払うお金がない場合は、事前に限度額適用認定証を申請しておけば、自己負担限度額までの支払いですみます。

自己負担額は年齢や所得によって異なります。

歯医者の治療費が払えない場合はクレジットカードやデンタルローンを利用する

保険診療ならまだしも、自由診療となると高額な治療費がかかります。保険診療であっても、何度も通院すれば治療費がかさむこともあるでしょう。歯医者の治療費を捻出するのが難しい場合は、クレジットカードを利用するのも一つの方法です。

歯医者さんによってはデンタルローンを組めることもあります。デンタルローンは金融機関などで提供しているもので、カードローンやフリーローンなどに比べると低金利であることが多いのがメリット。ただし、デンタルローンを組むには審査が必要です。

審査などを受けたくない場合は、歯医者さんに相談してみましょう。支払いのタイミングなど、相談にのってもらえる可能性もあります。

進学のお金がないなら給付型の奨学金の選択もできる

進学してもっと勉強がしたいけれどお金がないという場合のセーフティネットとして、奨学金制度があります。奨学金制度は自治体や民間企業などが提供していることも多く、金額や条件もさまざまです。

ただし、奨学金を借りれば就職後返済しなければなりません。就職したての時期は給料も少なく、奨学金の返済が負担になるケースは少なくありません。

奨学金と言えば日本学生支援機構(JASSO)が知られていますが、JASSOでは貸与型だけでなく給付型の奨学金があります。給付型奨学金を受けられれば、大学や専門学校などの授業料、入学金が免除されたり減額されたりします。

免除・減額の金額は世帯年収によって異なりますが、住民税非課税世帯(第I区分)の場合は、以下の年額が免除・減額されます。

区分 国公立(入学金+授業料) 私立(入学金+授業料)
大学 約28万円+約54万円 約28万円+約54万円
短期大学 約17万円+約39万円 約25万円+約62万円
高等専門学校 約8万円+約23万円 約13万円+約70万円
専門学校 約7万円+約17万円 約16万円+約59万円

また、給付型奨学金は月額約2万円~8万円弱程支給されます。
住民税非課税世帯(第I区分)の場合の月額の支給金額は以下の通りです。

区分 自宅通学 自宅外通学
大学・短期大学・専門学校 29,200円(国公立)、38,300円(私立) 66,700円(国公立)、75,800円(私立)
高等専門学校(4年・5年) 17,500円(国公立)、26,700円(私立) 34,200円(国公立)、43,300円(私立)

※生活保護世帯(自宅通学)の場合や児童養護施設などから通学する場合は金額が異なります。

奨学金を受けるには、世帯年収や成績のほか、勉強したいという意欲も条件です。申請のスケジュールなどは学校によって異なるので早めに確認してみましょう。

お金がなくて支払いができない場合は債務整理を検討する

お金がないとクレジットカードやカードローンの支払いができなくなることもあるでしょう。返済期日が過ぎれば遅延損害金が生じて返済額も増えてしまいます。

早く払わなければと思っても、収入がない、減ってしまったなどといったことで、払えると思っていた金額が払えない事態になることもあるものです。払える見込みがあればよいのですが、そうでない場合、債務整理をするのも方法の一つです。

債務整理は借入や返済に関する相談をして、借入金を減らしたり、支払い期日を延ばしてもらったりする方法です。借金は抱えているだけでもストレスになりますが、返済の目途がたたないとその負担はさらに大きくなるもの。

債務整理には注意点もありますが、借金のストレスを解消できる可能性が高い方法です。

債務整理には主に4つの種類がある

債務整理には主に4つの種類があり、状況や金額、どうしたいかなどによって選択する方法が変わります。

債務整理の主な種類
任意整理 借入金や利息などの減額などを交渉し、無理のない返済ができるようにする
個人再生 裁判所に申し立て借入金を減らし、3年~5年で返済をする
自己破産 お金がないことで返済不可能であることを裁判所に認めてもらい、借金の支払いを免除してもらう
特定調停 簡易裁判所に申し立て、月々の返済額を交渉し、返済しやすくする

任意整理以外は裁判所を通して交渉をします。自己破産をすると借金の支払いは免除されますが、住宅や車などの財産は手放すことになります。今後の仕事に支障がある場合は、個人再生の方がよいでしょう。

債務整理をすると信用情報に登録される

債務整理の大きなデメリットとしては、信用情報に登録されることです。もちろん、返済が滞納すれば、債務整理をしなくてもその情報は信用情報に登録されます。

債務整理や返済の滞納といった情報があると、返済能力を疑問視されるため、カードやローンの審査は通りません。そのため、一定期間新規でカードの作成やローンを組むことができなくなります。

ただし、債務整理の情報は永久に登録されているわけではありません。信用情報にもよりますが、原則5年で記録は抹消されます。

債務整理をした方がよいケース

次のようなケースは債務整理を検討した方がよいと考えられます。

  • カードローンやクレジットカードの返済が何ヶ月も遅れている
  • 家賃や住宅ローン、公共料金などが払えない状態
  • 収入がなく返済の見込みが立たない
  • どこからもお金を借りることができない
  • 督促状が毎月のように届き精神的負担が大きくなっている

カードローンやクレジットカードの返済が遅れれば、カードの使用ができなくなるだけでなく、遅延損害金や利息の支払いが増え、返済総額は増えていきます。

住宅ローンの返済が遅れれば、最悪競売となることもあります。競売になれば周りに知られることとなり、売れたとしても市場相場の何割も安くなります。売却金額が低いと、家を売っても返済額に足りず返済負担は解消されないこともあります。

住宅ローンの場合は任意売却という方法があります。任意売却であれば一般市場での売却が可能です。お金がないから家を売る、ということを周りに知られることもありません。住宅ローンの返済が滞るようであれば、競売などになる前に、専門家に相談することをおすすめします。

債務整理や任意売却などは専門家に相談するうえで進めることです。返済期限や返済額の交渉などは専門家の方がスムーズにいくからです。相談することで過払い金などあれば、払い過ぎたお金がかえってくることもあります。

返済は遅れるほど解決手段が限られてくるものです。もちろん返済総額も増えていきます。返済の見込みが立たないなら、早めに専門家に相談すること。その際は、債務整理の実績がある弁護士や司法書士を選ぶとよいでしょう。

早急にお金を作るには家にあるものなどを売る

すぐにでもお金を用意しなければならない、という場合は、家にある不用品を売りましょう。買取専門店やリサイクルショップ、フリマアプリを使って売るなどいろいろな方法があります。

買取専門店やリサイクルショップならすぐに現金化できる

ブランド品の買取専門店やリサイクルショップに売りたいものを持っていけば、すぐに現金が手に入ります。売りたい品物を持参し、査定をしてもらうだけなので手間がかかりません。

ただし、売る際には査定があり、売れない場合もあれば希望より安い価格での買取になることもあります。大きな傷や汚れがひどい場合、備品などがそろっていないなどの場合は売れないこともあるので、売りたい物はできるだけキレイにして持っていきましょう。

フリマアプリなら自宅にいながら物を売ることができる

フリマアプリならスマホがあればできるので、自宅にいながら物を売ることが可能です。リサイクルショップでは買い取ってもらえなかったものでも、アプリで買いたい物を探している人がその商品を気に入れば、買ってもらえる可能性もあります。

フリマアプリの場合、売れてもすぐに現金が手に入るとは限りません。また、売る物の写真を撮って出品する、売れたら梱包して発送する、といった手間がかかります。送料や梱包材料などの費用も計算に入れないと利益にならないこともあるので注意が必要です。

お金がないときは仕事をして収入を増やす

お金がないときは、仕事をして収入を増やすことです。本業での収入が足りないなら副業をするのもよいでしょう。また緊急にお金が必要な場合は、即日に報酬が出るアルバイトなどもおすすめです。

「日払い」と「即日払い」は異なることがあるので注意

すぐに給料が欲しい場合は即日払いの仕事がおすすめですが、「即日払い」と「日払い」は給料をもらえる日が異なる場合もあるので注意が必要です。即日払いは、仕事が終わってすぐに報酬が出ますが、日払いは、1日単位で給料を計算するという意味で、必ずしもその日に報酬が出るとは限りません。

報酬の支払い方法やいつ、どのように受け取るのかも確認するようにしましょう。

クラウドソーシングなら在宅での仕事も見つけやすい

在宅での仕事を探すなら、クラウドソーシングのサイトに登録するのも方法の一つです。クラウドソーシングには専門的スキルがあれば高額報酬を得られる仕事もあれば、誰でも簡単にできる仕事など、さまざまな仕事があります。

在宅での仕事やスキルを生かせる仕事など、希望にマッチした仕事を見つけやすいでしょう。

お金がないなら家計の見直し!無駄な出費を減らす

お金がない場合は家計を見直し、余計なお金を使っていないか、節約できる部分はないかを探し、無駄な出費を減らすことも重要です。

家賃の支払いができないなら引っ越す

家賃は家計においても大きな出費の一つでしょう。そのため、家賃が負担となりお金がなくなってしまうケースもよくあることです。理想としては、手取りの25%~30%以下に収まること。それ以上だと、家計を圧迫してしまうので、引っ越しなどを検討するとよいです。

家賃が安くなれば、その分は毎月必ず今までより節約できるということです。電気代や水道代を節約するより、大きな節約効果が期待できるでしょう。

携帯代が払えない場合は一時休止手続きとプランの見直しをする

お金がない場合は、携帯・スマホのプランを見直してみましょう。格安プランをはじめ、必要な機能のみを使用できるプランに変更することで、料金が安くなることもあります。

携帯料金が払えない場合は、一時休止手続きをするという方法も。携帯の支払い期限が過ぎると利用停止となりますが、1ヵ月程度の返済遅延であれば、料金を払うことで使用できるようになります。

しかし、滞納し続けると強制解約となる場合があります。強制解約になると料金を払っても、使用していた電話番号やメールアドレスは使えなくなります。

一時休止サービスは、海外赴任や留学など日本で長期に携帯電話を使用しない場合、電話番号やメールアドレスを保管してくれるサービスです。無料ではありませんが、月額の携帯代が高額な場合は検討してみる価値はあるでしょう。

電気やガスの契約会社を比較してお得な会社に変える

電気代やガス代をムダに使わないよう、注意しながら使うことも必要ですが、契約会社を比較して安い方に変えるのもおすすめです。

電気料金やガス料金プランは会社によってさまざまな種類があります。夜間は電気代が安い、電気とガスをまとめると割引があるなど、お得なプランも少なくありません。

家庭の生活スタイルに合わせてプランを選ぶと今より料金が安くなることもあるので、電気・ガス会社のプランをチェックしてみましょう。

固定電話が必要なければ解約する

固定電話はあった方が安心という方もいると思いますが、中には必要がないのに固定電話を使っているケースもあるのではないでしょうか?もし、スマホだけでも不自由しないというのであれば、解約すると料金の節約になります。

もしくはスマホと固定電話のセットプランなどにすれば、固定電話とスマホを別々に支払うより節約できるでしょう。

クレジットカードの使い過ぎを減らす

お金がないとクレジットカードを使い過ぎてしまうことがあるので注意しましょう。現金がなくても買い物や食事ができるクレジットカードは便利で助かるものですが、使い過ぎると返済額が増えてしまいます。

お金がないのに使う人に多いのが、クレジットカードで使える分を収入であるかのように使ってしまうこと。クレジットカードで使った分は借金です。返済のことを忘れてはいけません。

クレジットカードの使い過ぎを抑えるポイントは次の通りです。

  • 利用明細は必ずチェックし利用額や返済額を把握する
  • 毎月返済可能な金額以上は使わない
  • できるだけ一括払いを選択するか支払いが終わるまで使わない
  • 利用可能限度額を下げる
  • デビットカードにする

いくら利用しているのか、いつどれくらい返済するのかを把握していないと、利用できるだけ使ってしまう可能性があります。利用金額や返済額がわかっていれば、「今月はここまでにしておこう」と使い過ぎを抑えることができます。

お金がないときは返済も大変なので、リボ払いにしがちです。確かに返済額は少額ですみますが、その分返済期間が長くなり、毎月リボ払いを利用すれば利用額も返済額も増えていくので注意しましょう。

デビットカードなら利用可能額が銀行口座の残高なので、使い過ぎを防げます。クレジットカードを使い過ぎてしまう場合はデビットカードに変えてみるのもおすすめです。

外食が多い場合は自炊を心がける

食費が家計の割合を占める場合も多いのではないでしょうか。特に外食が多いと食費にかかるお金も多くなるため、お金がないときは外食を控えてみましょう。

外食は主食のほかドリンクやデザートを注文してしまうことも多いものです。1回の食事で2,000円、3,000円とかかってしまうことも少なくないでしょう。材料を購入して自炊をすれば、食費を節約できます。

料理が苦手な場合は、冷凍食品やお惣菜などを買って家で食べるのもおすすめ。自炊よりお金はかかりますが、外食ほどかからないでしょう。

必要がない場合はお店に行かない

お店に行くと、必要のないものまで買いたくなってしまうもの。無駄遣いにつながりやすいので、用のないときはお店に行かないようにしましょう。スーパーに行くときには、買い物リストを作り、それ以外は買わないことです。

また、必要がない場合はコンビニに行くのも控えましょう。コンビニはさまざまなものがそろっていて、新商品なども多く誘惑が多いもの。商品によってはスーパーなどより高いものも多いので、出費がかさんでしまいます。

本当に必要なものかを考え衝動買いを控える

後先考えずに買い物をすると、お金がなくなり必要なものが買えない、支払いができない、ということになりやすいものです。特に衝動買いが多い場合は注意しましょう。

安売りをしているとつい買ってしまう人や、衝動買いが多い人は、本当に必要なものかよく考えてから買う習慣をつけることが必要です。

お金がないからと闇金を利用すると後悔する

お金がないから、どこからも借りられないから、と闇金を利用するのはいけません。闇金を利用してお金を借りれば、後悔することになります。なぜ闇金を利用してはいけないのか、しっかり理解しておきましょう。

違法な金利で返済できなくなる

闇金のような悪質業者は、10日で10%や20%など高い金利で貸付をします。出資法では上限金利を年20%と定めています。それ以上の金利は違法になります。

出資法で定める上限金利は年20%です。これを超える利息は出資法違反となり罰則の対象となります。

引用元:金融庁 違法な金融業者にご注意!

高い金利は返済額もすぐに膨れ上がり、返済できない金額になります。お金を借りたときはホッとしても、そのあとは高額な返済を迫られるのです。

返済できないと厳しくしつこい取り立てがあり精神的に追い込まれる

貸金業法では悪質な取り立てを禁止していますが、闇金は返済できないと脅しや嫌がらせなどの悪質な取り立てをします。親や職場にも嫌がらせのFAXが何十枚も届いた、などといった被害の実例もあります。

悪質な取り立てや返済できないほどの高額な借り入れは、精神的ストレスの原因になり、体調を崩してしまうこともあるでしょう。お金がなくても、闇金の貸付は利用しないようにしましょう。

闇金からお金を借りてしまった場合は早いうちに相談をする

悪質な業者からお金を借りてしまった場合、一人で悩まず家族や知人に、さらに消費生活センターや弁護士などに相談をしましょう。そのままでいても返済の取り立てが続き、最悪の場合、口座を悪用されたり、違法な仕事をさせられたりするなど、犯罪に巻き込まれる危険性もあります。

また、知らないうちに悪質業者を利用していたなどといったことのないよう、貸金業者として無登録の業者や「審査なしで融資」「無職でも貸します」などの言葉に騙されないようにしましょう。

金融庁や日本貸金業協会のサイトでは、正規の業者かどうか、悪質業者ではないかなどを、検索できます。不審に思ったら、必ず確認をしましょう。

お金がないとやばい!緊急で必要な場合はカードローンを検討してみる

お金がないときは仕事をして収入を増やしたり、節約をしたりするのも方法の一つですが、緊急でお金を用意しなければならない場合の手段として、カードローンがあります。

中でも以下のような大手消費者金融は、審査がスピーディで融資にも時間がからないことが多いです。

  • SMBCモビット
  • プロミス
  • アコム
  • アイフル
  • レイク

カードローンでお金を借りるには審査に通らなければなりません。審査に通過するには、安定した収入があることや信用情報に返済の滞納や債務整理などの情報がないことが必要です。

審査に通りカードローンが利用できても、クレジットカードと同様、借り過ぎには注意しましょう。借り入れは返済が無理なくできる範囲で。安易に借りず、必要なときだけ利用することが大切です。

「お金がない」に関連するよくある疑問

「お金がない」に関連するよくある疑問を集めてみました。参考になさってください。

Q お金がないときすぐにできる節約方法は?

A 必要ではない出費やぜいたくだと思う出費を減らすことです。外食が多いなら自炊を、コンビニに毎日立ち寄る習慣はやめるなど、日常生活の中で明日からでもできることを探してみましょう。

Q すぐにお金が必要な場合はどうすればよいですか?

A 売れるものを見つけて買取専門店やリサイクルショップで買い取ってもらう、即日報酬が出るアルバイトをする、家族からお金を借りるなどといった方法があります。収入があるならカードローンを検討するのも手段の一つです。

Q お金がなくてクレジットカードの支払いができません。どうしたらよいですか?

A まずはクレジットカード会社に連絡をしましょう。支払い期日を延ばしてもらえるかどうかなど、相談をすることです。支払いに関して、対応策を提示してくれる可能性もあります。

Q 持ち家がある場合でも生活保護は申請できますか?

A 原則、持ち家や車などの資産を活用することが生活保護を受ける条件ですが、居住用の持ち家は認められる場合があります。

Q お金がなくてクレジットカードを使ったときはリボ払いにした方がよいですか?

A 一括で支払いができない場合、リボ払いは便利なものです。返済も少額になるので、家計に大きな影響はないでしょう。ただし、リボ払いを繰り返していると、利用額も返済額も増える一方なので注意が必要です。リボ払いが終わるまで新たに使わないなど、クレジットカードを使い過ぎないようにしましょう。

お金がないときは市役所や区役所に相談すると同時に家計の見直しもしよう

働くこともできずお金もない、家賃も払えないなど生活に困窮しそうなときは、地域の自治体に行って相談をしてみましょう。該当する給付金制度があるかもしれません。失業保険や健康保険などに加入していれば、手当がもらえたり、医療費の支払い額を減額したりすることも可能です。

急ぎでお金が必要なら、不用品を売ったり、その日に給料が出るアルバイトをしたり、またはカードローンを検討するのも方法の一つです。

収入を得られるようになっても、カードローンやクレジットカードの使い過ぎや収入に見合わない買い物をしたりすれば、またお金のない状態になってしまいます。毎月の収支を把握し、収入に見合ったお金の使い方をしていきましょう。